第32回目のブログは、前回のブログの続きです。前回のブログをご覧になっていない方は、先にご覧いただいてから、今回のブログを読んでいただくことをおすすめします。
仙石東北ライン
続いて乗車する路線は、仙石東北ラインです。仙石東北ラインは、2015年5月30日に開業した、仙台~石巻駅間を東北本線、仙石線を経由して走行する路線です。この路線は、東日本大震災で被災した仙石線沿線自治体の復興支援を目的として建設されました。元々仙石東北ライン建設事業は、国鉄民営化直後から沿線自治体からの要望がありましたが、東北本線と仙石線では電化方式が異なることなどから、事業化はされていませんでした。ただ、仙石線沿線が東日本大震災によって甚大な被害が出たことや、ハイブリット気動車という新技術が開発されたことなどがきっかけとなり仙石東北ラインは建設されることになりました。
といっても、実際に建設するところは、東北本線と仙石線を結ぶ接続線のみです。ですが、専用の車両を造ったりなどがあったため、開業は仙石線の全線復旧と同じタイミングとなりました。仙石線についてはまた後で解説しますね。
それでは、仙石東北ラインに乗車していきます。乗車する列車は、快速 石巻行きです。

使用車両は、HB-E210系です。HB‐E210系は、2015年5月30日から運用が開始された仙石東北ライン、石巻線で活躍するハイブリット型気動車です。ハイブリット型気動車とは、ディーゼルハイブリットシステムを搭載した気動車のことをいいます。気動車とはいいますが、燃料はディーゼルエンジンを回して発電するときにのみ用いられており、基本的には蓄電池に溜まっている電気を使用して走行します。
走行時は、電気を使うので、音は完全なる電車の音がします。ただ、発電時にはエンジンが回るので、モーターとエンジン音が混ざる特徴的な音になります。車のハイブリットカーと同じような感じです。乗り心地も普通の電車と大差ありません。
改めて人間はすごい動物なんだなと思いますよね。最初は、石炭を使った蒸気機関車が主流だった鉄道が、環境に配慮したハイブリット型気動車まで走らせることができるようになってしまったのですから。
それでは、発車シーン・車窓動画をどうぞ!!
走行音がとても静かですよね。発電するときは、多少大きな音が混じりますが、それ以外の場面では普通の電車と変わりませんからね。すごい技術だなと思います。
仙石東北ラインに乗ること約30分。高城町駅に到着です。高城町駅では、対向列車とのすれ違いがありました。

すれ違った車両は、JR東日本205系3100番台です。205系3100番台は、中間車は山手線、両先頭車は山手線、もしくは埼京線で活躍していた205系0番台を改造した車両です。この写真に写っている車両は、4両すべてが元山手線205系0番台からの転用です。
今回は、せっかく‘‘ある観光地‘‘の近くに来たので、たまには観光地にも行こうということで、高城町駅から‘‘ある観光地‘‘に向かいたいと思います。
松島(福浦島)
それでは、‘‘ある観光地‘‘に向かいたいと思います。今回向かう‘‘ある観光地‘‘とは、‘‘松島‘‘です。松島については、あとで説明しますね。
途中スーパーもよりつつ、約40分。松島に到着です。

道中には、伊達政宗歴史館という施設もありました。興味がある方は行ってみてください。
それでは、松島について解説したいと思います。
松島とは、松島湾内外に浮かぶ260余りある島々の総称をいいます。松島は、日本三大三景にも選ばれており、国内外から多くの人が訪れます。
今回は、福浦島という島に行きたいと思います。
福浦島は、松島群島の一つです。福浦島と対岸(陸)の間には、福浦橋という橋がかかっており、船を使わずに歩いて、福浦島に入ることができます。
福浦島に入るためには、大人200円・子供100円の入島料がかかります。

福浦島は、面積が約6ヘクタールほどの小さな島で、島には約250種にもおよぶ草木が茂っている、自然公園となっています。
それでは、まず福浦橋から見た景色をどうぞ!



行きは、橋の中央が混んでいたので、橋の中央から望む景色を撮ることは出来ませんでした。
続いて、福浦島から見た景色です。



とっても綺麗ですよね!さすが日本三大三景に選ばれるだけあるなと思いました。
最後に、橋の中央から見た景色です。

総じて、とても景色が綺麗でした。観光客も多かったですが、身動きが取れないほどではありませんでした。ぜひ松島周辺を訪れた際には、立ち寄ってみてくださいね。
福浦島周辺は、食べ物も充実していました。写真は撮れませんでしたが、牡蠣カレーパンというものを食べました。牡蠣カレーパンは、カレーパングランプリ2021のバラエティ部門で最高金賞を受賞したそうです!味はというと、とても美味しかったです!牡蠣は、とってもプリっぷりで、牡蠣好きにはたまらないと思いますよ!!
仙石線
続いて乗車する路線は、仙石線です。福浦島からの最寄りの仙石線の駅は、松島海岸駅です。福浦島からは、食べ歩きせずに普通に歩いていったら、20分程度あれば着くと思います。
乗車する列車は、普通 仙台・あおば通行です。

使用車両は、JR東日本205系3100番台です。205系3100番台については、先ほど説明した通りです。この編成は、‘‘マンガッタンライナーll‘‘という愛称がつけられています。‘‘マンガッタンライナーll‘‘には、4両編成の車両それぞれに、「サイボーグ009」「時代劇」「コメディ」「ヒーロー」とジャンル分けをしたデザインが施されています。2025年3月までは‘‘マンガッタンライナーI‘‘という‘‘マンガッタンライナーll‘‘の先輩にあたる車両が走っていましたが、老朽化により引退してしまいました。‘‘マンガッタンライナーI‘‘には、「サイボーグ009」「仮面ライダー」「ゴレンジャー」「ロボコン」が描かれていました。
それでは、仙石線について解説したいと思います。
仙石線は、1925年に開業した路線です。開業当初は国鉄(現JR)ではなく、宮城電気鉄道という私鉄路線でした。そこから19年後の1944年に戦時買収により国有化されました。その後1987年の国鉄分割民営化に伴い、JR東日本が保有する路線になりました。
次に、仙石線のある悲劇について解説していきます。
2011年3月11日14時46分。この年、日、時間が示すものが何かわかりますか?
これは、東日本大震災の発生年、日、時間です。勘の鋭い方はもうわかったでしょうか?
実は、この東日本大震災が発生した瞬間こそが、仙石線の悲劇の始まりなんです。
仙石線は、路線全体の約68%が海岸部に近接しています。そのため、地震と津波両方の被害を受けました。路線設備には、甚大な被害が及び、電化設備に関しては津波での被害が深刻で、データが取れないほどでした。被害は、車両にもおよび、中でも野蒜駅 – 東名駅間で地震発生により停止した車両の被害が甚大でした。どんな被害だったのかというと、津波により押し流され脱線し、前より2両は山側に横滑りし、後ろより2両は山側に90度向きを変えて大破してしまうほどの被害でした。
仙石線が東日本大震災で受けた被害が書いてあるブログがあったので、載せますが、かなりショッキングです。閲覧には注意してください。
仙石線は、一部区間が震災発生から2週間以上が経ったのちに運転が再開されましたが、余震により再び全線運休。その後、1週間程度経ってから一部区間で運転が再開されました。運転が再開された区間は徐々に伸びていき、2011年5月28日には、あおば通駅~高城町駅間の運転が再開されました。石巻側の区間は、震災発生から4か月以上が経った7月16日に矢本~石巻駅間が運転再開、翌年3月17日に陸前小野駅~矢本駅間が運転再開されました。しかし、高城町駅~陸前小野駅間はもっとも被害が深刻で復旧が手つかずの状態でした。その後、2015年度までに全線復旧させる方針が発表され、大規模工事の末、震災発生から4年以上が経過した、2015年5月30日に高城町駅~陸前小野駅間が運転再開し、全線運転再開となりました。
この仙石線の事例を見ると、地震や津波による被害はとても深刻で、復旧・復興には時間がかかるんだなと思いますよね。現在でも福島県では帰宅困難区域に設定されている場所もあるので、東日本大震災の影響は凄まじいんだなと改めて思い知らされます。
仙石線についての説明は、これくらいにして仙石線の車窓動画をご覧ください!
マンガッタンライナーllに乗ること約40分。仙台駅に到着です。ここで一つ豆知識です。みなさん、日本初の地下鉄路線って、何線かご存知ですか?正解は、東京メトロ銀座線です。しかし、銀座線開業よりも前から地下に駅がある路線がありました。その路線が、仙石線です。仙石線の仙台駅は、1925年に東北本線との交差のために地下駅として建設されました。現在の仙石線 仙台駅は、当時の仙台駅とは違うものです。
東北新幹線
続いて乗車する路線は、東北新幹線です。東北新幹線については、前編のブログで説明したので、省かせていただきます。
乗車する列車は、やまびこ148号 東京行きです。

使用車両は、E5系です。E5系についての説明も前編のブログでしたので、省かせていただきます。
それでは、車窓動画をどうぞ!
このやまびこ148号は、福島駅でつばさ148号と連結をします。今回の旅では、行きではやまびこ号とつばさ号の解結、帰りではやまびこ号とつばさ号の連結の両方を見れてしまいました。新幹線の連結・解結は見たことがなかったのですが、とてもスムーズで迫力がありました。今度は、盛岡駅ではやぶさ号とこまち号の連結を見てみたいです。
それでは、連結シーンをご覧ください!
福島駅での連結作業は、上り線・下り線ともに14番線で行われます。14番線は、通常下り線しか使わないホームですが、山形新幹線が走る奥羽本線へつながるアプローチ線が、14番線の端にしか設置されていないため、上り線で連結作業をすることができません。そのため、上りやまびこ号は、上りつばさ号と併結するときには、下り線をまたぐ平面交差を行い、14番線へ入線し、連結作業を行います。連結が完了すると、上り線へ復帰するために、もう一度平面交差が行われます。合計で2度平面交差があるということですね。
現在、‘‘平面交差‘‘をなくすために、上り線側にもアプローチ線を設置する工事が行われています。様々な施設が入り組んでいる福島駅に新幹線が走るアプローチ線を設置するのは、とても大変で、着工から4年が経っていますが、併用開始予定は、2027年3月です。それだけ難工事なんでしょうね。併用開始の数か月前には工事が完了し、試運転を多く行うと思われるので、実質工事はあと1年半程度だと予想します。
なぜ、こんな難工事になるにもかかわらず、上り線用のアプローチ線を設置しようとしているのでしょうか?それは、ある‘‘大きな問題‘‘を解消するためです。
現在のアプローチ線が下り線にしかない状況では、ある大きな問題が発生します。通常時は、ダイヤ通りに運転するだけなので、特に何の問題もありませんが、山形新幹線や東北新幹線に遅れが生じていると、やまびこ号が平面交差するときに、下り線から列車が来てしまうことがあります。そうなってしまうととても大変なのです。なぜなら、平面交差が終わり、ポイントが変わるまで、下り線からやってくる列車は、スピードを落としたり、停車したりしなければいけなくなってしまうからです。そうなると、平面交差をした上りやまびこ号、つばさ号だけでなく、平面交差が終わるまで待機していた下り列車にも遅れが生じてしまいます。この‘‘下り列車の遅れ‘‘がとても大きな問題なのです。
なぜ、‘‘下り列車の遅れ‘‘がとても大きな問題なのでしょうか?なぜなら、東北新幹線や山形新幹線以外の新幹線路線にも遅れが派生してしまうからです。東北新幹線や山形新幹線が走る東京~大宮駅間は、上越新幹線や北陸新幹線、秋田新幹線も走ります。つまり、遅れた下り列車が、終点で折り返すと、その折り返し列車も遅れて発車します。すると、大宮駅に着く時点でも遅れがあった場合、上越新幹線や北陸新幹線の列車が、大宮駅もしくはその前の地点で待機する必要がでてきます。そうなると、遅れが北陸新幹線や上越新幹線にも派生し、JR東日本管内すべての新幹線路線に影響が出てしまうことがあるのです。
そんな状況を防ぐために、上り線用のアプローチ線を設置する工事をしているのです。上りつばさは、上り線で連結、下りつばさは、下り線で解結となることで、遅延があるときにも柔軟なダイヤ組み換えが可能になり、他の路線へ影響を防げるようになります。
そんなやまびこ号・つばさ号の併結後の発車シーンをどうぞ!
途中でポイントを渡っているのですが、わかりますか?1:15~1:23にかけて下り線から上り線へ転線しています。この平面交差って今はあまり行われていないので、レアな経験といえばレアな経験なんです。実を言うと、この上り列車が下り線で連結を行うという運用はやめてほしくないなぁというのが本音です。今の運用が、不都合な点があるのはわかっていますが、こんな運用ができるのは、日本の安全技術があるからこそだと思うのです。
アプローチ線ができると、もう福島駅での平面交差は体験できないので、体験してみたい人は、今のうちに体験してみてくださいね。
やまびこ・つばさ148号に乗ること約1時間40分。大宮駅に到着です。はやぶさ号だと仙台駅~大宮駅間が、約1時間10分なので、その速さがよくわかります。
まとめ
今回のブログは、前回のブログの後編ということで書いていきましたが、どうでしたか?今回は、色々豆知識を書いたので、長めのブログになってしまいました。ところどころ写真や動画も入れているので、今までの長いブログよりかは読みやすかったと思います。今後ももしかしたら投稿回数が減っている分長いブログが増えていくかもしれません。よろしくお願いいたします!
次回のブログは、京都・奈良編です!ぜひ楽しみにしていてください。次回のブログの前に、1本お知らせブログも投稿する予定です。
それでは、次回のブログもお楽しみに~!!
色々豆知識がありますね。
動画も、松島の写真も楽しめました。有難うございました。