ただいまの時刻は、2024年11月30日(土)15:00です。この時刻が何を指しているかと言いますと、立山トンネルトロリーバスのラストランが発車する時刻となっています。立山トンネルトロリーバスがラストランを迎えるということは、日本のトロリーバスの歴史に幕を閉じるカウントダウンが始まる瞬間でもあります。15:10に大観峰駅に到着すると、立山トンネルトロリーバス、そして日本のトロリーバスの歴史に幕を閉じます。

立山トンネルトロリーバス、そして日本のトロリーバスの歴史において最後の営業列車の発車です。出発進行!!

第19回目のブログは、当初の予定から変更してトロリーバスの特集を書いていきたいと思います。

先ほども書きましたが、立山トンネルトロリーバスの最終列車は15:00に室堂駅を発車、15:10に大観峰駅に到着というダイヤになっています。もうトロリーバスに乗れないと思うと少し悲しいですね。なぜもう乗れないと断定できるのかというと、電気バスのバッテリー技術が進歩したので、架線からずっと電気が供給されなくても一定時間走れるようになったからです。トロリーバスが日本からなくなるということは、それだけ技術が進歩したということですね。

日本のトロリーバスの歴史の始まりは、1928年に開業した日本無軌道電車です。ただ、日本無軌道電車は業績不振で開業からわずか4年弱で廃止になってしまいました。トロリーバスが都市交通機関として初めて開業したのは、1932年の京都市営トロリーバスです。名古屋市営トロリーバスが、1943年に開業するまでは、京都市営トロリーバスが日本で唯一のトロリーバス路線でした。戦後は、多くの大都市にトロリーバス路線が開業しました。ただ、1960年代後半から1970年代初めにかけて、性能の良いエンジンを持った大型バスが開発され、トロリーバス路線は順次廃止されていきました。

トロリーバス路線が廃止になっていく一方で、あるトロリーバス路線は、廃止されずに残りました。それは、1964年に開業した立山黒部アルペンルートに属する‘‘関電トンネルトロリーバス‘‘です。

関電トンネルトロリーバスの正式名称は、‘‘関電トンネル無軌条電車線‘‘といいます。なぜ関電トンネルを通る乗り物がトロリーバスになったのかというと、関電トンネルは中部山岳国立公園を貫通しており、環境への配慮が求められたからです。関電トンネルをディーゼルバスで走らせてしまうと、排気ガスがトンネル内に溜まってしまうほか、排気ガスは二酸化炭素が大量に含まれるため、生態系への影響があります。そのため、関電トンネルを通る乗り物はトロリーバスで建設されました。今でこそ排気ガスに含まれる二酸化炭素は、技術の進歩により少なくなってきましたが、関電トンネルトロリーバス開業時は、かなり二酸化炭素が含まれていたはずですからね。

そして、1996年新たなトロリーバス路線が開業しました。その名も、‘‘立山トンネルトロリーバス‘‘です!!なんで1970年ごろにはトロリーバス路線が順次廃止になっていったのに、そこから20年以上経って新しいトロリーバス路線が開業したの?と、思う人もいると思います。その理由は、立山黒部アルペンルートならではの理由があります。先ほど関電トンネルは、ディーゼルバスだと排気ガスが溜まってしまうから、トロリーバスを使い排気ガス問題を解決したと書きました。立山トンネルも全く同じ理由で、トロリーバスを使うことになりました。ではなんで、関電トンネル開業時には立山トンネルは開通していたはずなのに、関電トンネルトロリーバスの開業と同時にではなかったのでしょうか。その理由は、立山トンネルは開業当時ディーゼルバスを使って開業したからです。ただ、観光客が1980年ごろから増加し、バスの運行本数も増加しました。すると、排気ガスが滞留するようになってしまいました。換気装置を設置してもあまり効果は見られず、1996年にトロリーバスへと転換されました。なぜ最初からトロリーバスにしなかったんですかね。全線トンネルで建設されており、外へ出るタイミングはないので、空気が溜まりやすいことはわかっていたはずですが…。一応ちょっとした換気口はあったので、そこまで運行本数がなかった時代は大丈夫だったのでしょうか…。どちらにしろ今言っても仕方ありませんからね。当時関わっていた人たちに直接聞くしかありませんね。

写真と車窓動画を下に載せますので、ぜひご覧ください!!

いかがでしたでしょうか?音が完全に電車の音ですよね。専門的な用語でいうと、VVVFインバータ制御といいます。ちなみに関電トンネルトロリーバスも、VVVFインバータ制御を採用していました。また、トロリーバスにVVVFインバータ制御を初めて採用したのは、関電トンネルトロリーバスです。

さて今回は、トロリーバスについて書いていきましたがどうでしたか?

日本最後のトロリーバス‘‘立山トンネルトロリーバス‘‘は、明日正式に廃止になります。そして日本でトロリーバスが運行し始めて96年。ついにその歴史に幕を閉じることになります。動いている姿を自分の目で見ることはもうできません。ただ、みなさんがトロリーバスに乗った時の思い出は、みなさんの心に残り続けます。‘‘立山トンネルトロリーバス‘‘は名前を変え‘‘立山トンネル電気バス‘‘としてリニューアルします。‘‘立山トンネルトロリーバス‘‘ありがとう!そしてさようなら!

ぜひみなさんも冬期運休期間が明けたら、新生‘‘立山トンネル電気バス‘‘に乗ってみてください!

それでは、次回のブログもお楽しみに!

投稿者 daisan

“立山トンネルトロリーバスラストラン出発進行!!〜日本のトロリーバスの歴史に幕を閉じる日〜” に1件のフィードバックがあります

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