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大変お待たせいたしました!第13回目のブログは、岳南電車に乗ってきたときの豆知識や感想を書いていきたいと思います。

旅の始まりは、吉原駅。岳南電車は、昔貨物輸送を行っていて、利益もそこそこ出ていましたが、トラック普及による鉄道貨物衰退によって、2011年にJR貨物の合理化により、岳南鉄道の貨物引き受けを2012年春以降貨物輸送引き受けを休止するという通告が行われました。そして、2012年3月16日をもって岳南鉄道を支えていた貨物列車の運行が終了し、貨物輸送事業が廃止されてしまいました。岳南鉄道のその後の経営状態は悪化してしまい、岳南鉄道は、岳南鉄道の鉄道部門を岳南電車として、分社化することを決定し、今に至ります。

貨物事業が今も続いていれば、経営状態がここまで悪化することはなかったんでしょうね。旅客事業のみの私鉄は、どこも2020年から大流行した新型コロナウイルス感染症の影響をもろに受けていますからね。JR各社が赤字になってしまう程だったのですから、私鉄はもっと深刻な状況だったのだと思います。

さて、本題に戻りましょう。

来た車両は、元京王帝都電鉄(現京王電鉄)5000系→元富士急行(現富士山麓電気鉄道)1000形の9000形です。

俗に言う‘‘中古の中古車両‘‘ですね。この9000形は、1969年8月製造の車両なので、車齢は約55年にもなります。この9000形は、京王帝都電鉄で活躍していた時は、在来線車両の中では少し特殊な一面を持っていました。それは、車輪幅が1372㎜であることです。日本の在来線の多くは、軌道幅1067㎜の狭軌を、新幹線や一部の私鉄は1435㎜の標準軌を採用しています。そのため、軌道幅が1067㎜である岳南電車を走ることはできません。では、どうやって岳南電車の線路を走ることができるようにするのかというと…台車を変えるのです!車輪幅が1067㎜の台車を履き替えることで、岳南電車の線路を走ることができるようになるのです。ただ、この場合改造費用がかかるので、改造をしなくてもよい規格の中古車両が選ばれることが多いですが、なぜ京王帝都電鉄という特殊な軌道幅を採用しているところを走っていた車両を採用したのかというと、改造が完了していたからです。どういうことかと言いますと、9000形は、中古の中古車両であるため、京王帝都電鉄から最初に譲渡された富士急行で改造を受けていたのです。富士急行線も岳南電車と同じく1067㎜の狭軌を採用しているため、1372㎜の9000形(富士急行では1000形)を走らせるためには改造が必要だったのです。

9000形に乗ること約20分。終点岳南江尾に到着です。岳南江尾駅の近くには東海道新幹線の線路があり、列車が通ると、とんでもない轟音がします。今回は昼間に行きましたが、夜中に行くと、東海道新幹線が近くを通っていることを知らない人は、とてもビックリすると聞いたことがあります。

岳南電車は、夏の時期数日間‘‘夜景電車‘‘という列車を走らせています。岳南電車の車窓から見る夜景は、鉄道会社で唯一日本夜景遺産に認定されています。夜景電車のコンセプトは、車両の電灯を消し、すべての窓を開けることで、日本夜景遺産に認定されている車窓をより良く見てもらおうというものです。

帰りは、岳南富士岡駅に隣接されている‘‘がくてつ機関車ひろば‘‘というところに寄り道してから吉原駅に戻りたいと思います。がくてつ機関車ひろばには元々岳南電車で活躍していた車両が展示されています。

ED29 1
ED40 3
ED501
ED40 2

がくてつ機関車ひろばには以上の4車両が保存されています。パンタグラフが上がっている車両もありますが、架線には電気が通っておらず、車両には電力が供給されていないので、動き出すことはなく安全です。ただ、パンタグラフが上がっていることで今にも動き出しそうな感じはしますね。どの車両も岳南電車が貨物事業をまだ行っていた時代に活躍した車両で、入替や牽引などで活躍しました。

さあ、がくてつ機関車ひろばを楽しんだところで吉原駅に戻りたいと思います。

来た車両は、元京王電鉄3000系の7000形です。7000形は京王電鉄3000系の中間車の両側に運転台を取り付け、1両で走行できるようにした車両です。元京王電鉄3000系は京王井の頭線で走っていた車両だったため、9000形と違い、台車を変える大掛かりな改造は必要ありませんでした。なぜ必要なかったのかは↓のURLを押してご覧ください。

京王井の頭線

7000形に揺られること約14分。終点吉原駅に到着です。吉原駅では、駅は少し離れていますが、JR東海道線に乗り換えることができます。

さて、今回は岳南電車についてのブログを書きましたが、どうでしたか?岳南電車は、かなりの経営難で苦しんでいますが、車窓はとても素晴らしいです。ぜひ夏季に運行される夜景電車に乗ってみてください!

それでは、次回のブログをお楽しみに~!

投稿者 daisan

「過去のスマホの写真を見ていたら・・・④」に2件のコメントがあります
  1. 夏岳南鉄道に乗ってみたいですね。でもどうやっていくのかもわからない、お婆さんです。

  2. ブログ待ってましたー
    鉄道会社で唯一日本夜景遺産てすごいですね。経営難ということですが、なんとか続けていってもらいですね。
    また、鉄道での貨物輸送が環境問題やトラック業界ドライバー不足問題で見直さられているような話も聞いたことあるので、岳南電車の貨物も復活みたいになるかもですね。
    また、楽しみにしてます。

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